クレンジングは1日の汚れを落とす大切なケア

慌ただしい1日が終わり、後は化粧を落とすだけ、これがとても面倒くさくて疲れた日やお酒を飲んだ後など , お化粧を落とさず寝てしまうなんて事はありませんか?翌朝に鏡を見ると脂が浮いていたり、赤くなっていたり、皮がめくれていたりでとても後悔しますね。

やはり夜のスキンケアは1日の汚れを落とす大切なケアと言えます。毛穴に詰まったファンデーションに皮脂やほこり、菌などが混ざって酸化状態になっています。その状態で朝を迎えるとブツが出たり肌には相当なダメージを与えます。

キッチンの換気扇を想像して下さい。油にほこりが吸い寄せられゴワゴワで強力な洗剤でないと落ちません。それに比べ浴槽の換気扇は油を使わない分、お湯で簡単に落とせます。

面倒なクレンジングと洗顔

面倒なクレンジングと洗顔は出来るだけ簡単な物を選びたい。それでいて、落ちにくく化粧崩れがしないオイルたっぷりのファンデーションを選ぶ。これは理にかなっています。

落ちにくい物は強力な洗浄効果がないと落ちないですね。

とは言っても、お昼休みやお手洗いでは脂取り紙でおでこや小鼻を押さえ化粧直しをしている姿を良く見かけます。

オイルでフタをしても皮脂の多い部分からファンデーションがよれてしまいます。

油分に頼らず自らの皮脂できれいな皮脂膜を保つ

KMSCOSME の考え方は逆で、油分に頼らず自らの皮脂できれいな皮脂膜を保つことを大切にしています。

整ったお肌はバリア機能もきちんと働き、弱酸性(皮脂膜のph)ph4.5 ~ 6.5 のお肌を保ちます。

皮膚の pH は、皮膚常在菌や、皮脂に含まれる遊離脂肪酸や乳酸、汗の成分などによって保たれています。

弱酸性を維持することで、角層のバリア機能を維持し、皮膚表面の細菌の繁殖を抑制するように働きます。

肌がアルカリに傾くと、湿疹ができたり、バリア機能の乱れで乾燥したり、さまざまな肌トラブルが起こる原因となります。

石鹸のように洗浄効果の高い弱アルカリの物も沢山ありますが、私たちの肌は、もともと pH 中和能(アルカリ中和能)が働き、15~20分程度で自然と弱酸性に戻す機能が備わっています。

石鹸で洗った後はつっぱり感がありますが、次第と落ち着いてきますよね。ph だけに目を向けるとアルカリの物でも心配無さそうですが、石鹸=泡が立つ=界面活性剤が働いていることになります。

泡立ちは液体と気体の間の界面で起こる現象ですが、良く泡立つ濃度では十分な洗浄力があることから、泡立ちの程度は洗浄力の目安になります。

石鹸は簡単に言うと、油と界面活性剤です。特に洗浄力の高い石油系の合成界面活性剤は使用感もいいので良く使用されます。

油分（界面活性剤）に頼らない水溶性のスキンケア

界面活性剤自体が悪者扱いされるケースは良くありますが、それよりも大切な皮脂膜を落としすぎる過程で乾燥やバリア機能の乱れで肌トラブルが起こると、皮膚常在菌も乱れてしまいアルカリに傾いてしまいます。

一度乱れてしまうと、合成界面活性剤も悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。

この悪循環を招かないためには、強い洗浄力のものは避けたいので、落ちにくいオイルたっぷりのファンデーションではなく水溶性ファンデーションで通気性を良くし肌が呼吸出来ること。整った皮脂膜を保ち、化粧崩れもなくなります。

メイクオフは油(鉱物油=ミネラルオイル)に頼らなくても、水溶性で十分に落とすことができますので、随分肌への負担は軽減されます。また、敏感肌はアルカリより弱酸性が好ましいと思います。

サッと拭き取るだけのオイルクレンジングより面倒かもしれませんが、クレンジングと洗顔では落とす目的が違うので、ここはしっかりケアしたいところです。

クレンジングはメイク類を取り、洗顔は老化角質や毛穴汗腺の雑菌を取るようなイメージをして下さい。

水溶性のファンデーションと水溶性のメイクオフに変えてみると、油溶性の肌では得られなかった軽さと透明感を実感されると思います。

参考文献：「皮膚バリア機能に影響を及ぼす因子」 大分大学 皮膚科講師 波多野 豊